猫の呼吸器系の病気に関する情報

直接外気を取り込む器官のため、原因となる症状も非常に多いのば呼吸器系の病気です。事故や外傷、咳などの刺激によるものや、細菌やウィルスや有害物質などのもの、遺伝性のものや他の病気が原因として発症します。現在は室内飼いが多くなってきたため、人間と同様にハウスダストやタバコの煙などが原因となって発症するケースも増えてきました。また、猫種によってなりやすい病気も目立ちますので、そのような猫種を家族に迎え入れる場合には、より一層の注意が必要です。


主な症状は、咳、呼吸困難、よだれ、チアノーゼ、吐血、食欲不振、胸部の痛みなどがあります。チアノーゼや吐血などはもちろん、思い当たる原因もないのに息が上がっていたり、食欲が継続的に下がった場合などは大事をとって診察を受けるようにしましょう。

薬剤による内科療法が一般的ですが、食事療法を平行して行ったり、病気によっては吸入や外科手術を行うこともあります。



» 猫の気胸

猫のの症状と原因 肺などの気管が存在する胸膜に、なんらかの原因によって穴が空いて、胸腔内に空気が溜まってしまう事により、肺が正常な働き(伸縮)をするスペースを無くし、十分な呼吸ができなくなる病気です。多くの原因は他の猫とのケンカの際にできる傷や、高いところから落ちてしまった時に胸を強く打ちつける、交通事故などの外傷性によるものです。また肺炎や気管支炎など、呼吸器系の疾患にかかっていて、肺や胸壁が弱っている時に激しい咳き込みをしたことで穴が空く事もあります。症状は全般的に呼吸困難、よだれ、胸の痛みによる運動困難や胸を触られるのを嫌がる、などがありますが、外傷性の場合は涎に血が混じったり吐血することもあります。 猫のの治療方法・対策 初期段階や、胸腔に入り込む空気が止まっている状態であれば、安静療法、内科療法で穴が塞がるのを待つという方法がありますが、病院にかかる段階ではその大半が持続的に空気が溜め込まれており、酸素室での酸素吸入・および針などを用いて胸腔の空気を抜く処置が必要になります。他の病気があれば並行して治療にあたりますが、交通事故などの大きなケガの場合は、そのまま手術を行うことになるでしょう。 少しでも愛猫の負担が少なくすむように、異変が起きたらすぐに気づけるようにしましょう。外傷だけではなく、呼吸器の疾患にかかっていないかどうかも毎日チェックしてあげてください。

» 猫の胸水

猫のの症状と原因 肺などの器官がある胸腔内に液体が貯留してしまう事で、肺が十分に膨らめなくなる病気です。肺が正常な働きを行えないため、呼吸困難、咳などの症状が見られます。他に胸部に痛みがあるため胸に触れられるのを嫌がったり、食欲不振や発熱も起こす恐れがあります。 原因は様々な病気の発症によるものや、外傷性のもの、体質によるものなど、数多く存在します。胸腔内に貯留される液体には様々あり、その液体や液体を滲出している細胞を検査して、何が原因かを判断します。主なものだと膿、乳糜(にゅうび)、血液が挙げられ、それぞれ、膿胸、乳糜胸、血胸と呼ばれています。 膿胸はケンカや異物嚥下時についたケガ、化膿性の呼吸器仕官から真菌、細菌が感染して発祥します。乳糜胸は乳糜のリンパ液が胸腔内に漏出して貯留します。外傷や腫瘍、心臓疾患にフィラリア症やリンパ管の損傷などが原因となります。血胸は血液が胸腔内に貯留します。胸部への衝撃、腫瘍や凝固異常などが原因になります。血胸は血液が漏れ出しているため、貧血にもなりやすくなります。 猫のの治療方法・対策 基本的に何が原因であっても、液体が何であっても酸素吸入などで状態を落ち着かせ、液体の除去を行い、安静を心がけて処方薬による内科療法や食事療法を行っていきます。また、それと同時に各原因ごとの処置も同時進行で進めます。 膿胸の場合は針を胸腔に刺し入れ、膿を取り除き、チューブを胸腔内に通して洗浄を行います。同時に菌に対する抗生物質を与えて、原因となる菌が検出されなくなるまで続けます。あまり見られませんが、手術を行う場合もあります。 乳糜胸も同様に乳糜を取り除きます。軽度であれば内科療法や食事療法を施しますが、基本的には手術を行います。 血胸は血管拡張剤や利尿薬で体の水分を減らして行きますが、効果が薄い場合は他の症状と同じように針で貯留した血液を抜きます。その後、止血剤や輸血の処置を行っていきます。

» 猫のアレルギー性気管支炎(猫の喘息)

猫のの症状と原因 アレルギー性皮膚炎は、アレルギーの原因となるアレルゲンの寄生、接触、摂取、吸引に過剰反応する事によって引き起こされる皮膚病です。最も多いアレルギー性皮膚炎は食物アレルギーで、次いでダニやノミのアレルギーです。他にも吸引性アレルギー、接触性アレルギーなどがあります。 アレルギー性気管支炎は猫の喘息です。人間の喘息と同じように最悪の場合、命の危険があります。比較的、冬に発症しやすい病気です。アレルギーの原因となるアレルゲンを吸い込むと、気管支が収縮し、咳や呼吸困難を招きます。主なアレルゲンは、ハウスダスト、カビ、花粉、食物、薬、タバコの煙などです。アレルギー性気管支炎の症状は、ゼーゼーとした荒い呼吸音、咳、開口呼吸、チアノーゼがあり、症状が軽いものから重いものまで存在します。 猫のの治療方法・対策 検査方法はX線検査、血液検査、身体検査です。治療法としては気管支拡張剤を軸に、アレルゲンによって、ステロイド剤や抗生物質、抗アレルギー剤などの内科治療を行います。また、家庭内においても、アレルゲンの元となるものを徹底的に排除してあげましょう。

» 猫の肺炎

猫のの症状と原因 肺炎は肺が炎症を起こしてしまった疾患です。一般的な鼻炎などと同様の症状が見られますが、比べて病状は重いです。ウィルス感染による呼吸器の病気が悪化して、肺炎になったり、他の呼吸器の病気同様、刺激性のガス・薬品・異物などを吸い込んで発症する場合があります。 症状は激しい咳や発熱・食欲不振・元気消失・呼吸が荒くなるなどに伴う体力減退などが見られます。口を開けて呼吸していたら要注意です。呼吸困難をも引き起こし死に至ることもある大変恐い病気です。 猫のの治療方法・対策 一刻を争う病気の一つなので早期の治療が必要です。治療法は抗生物質の投与による内科的治療が中心になります。呼吸困難に陥っている場合は酸素吸入、体力が衰えている場合は点滴も必要です。また合併症がないかチェックすることも大切です。

» 猫の横隔膜ヘルニア

猫のの症状と原因 軽い症状だと一生見過ごされたまま終わってしまうこともありますが、大部分が事故などの大ダメージにて引き起こされるため、重い症状になりがちです。もともとヘルニアとは穴の無いところが裂けたりして、そこから各臓器がはみ出してしまう事をいうので、肝臓や胃・腸などが胸腔側に移動してネコの腹部は細くなり、外から触れると何も入っていなく感じます。 横隔膜ヘルニアについては外傷性先天性の2パターンがあります。外傷性なら、しばらくははっきりした症状を示さず、気付かないケースがあります。横隔膜の損傷が大きく重度の場合は、多量の腹腔内臓器が胸腔内に入り込むため受傷直後からチアノーゼやショックなどの重篤な症状が現れてしまいます。横隔膜の損傷のほかにも傷や骨折を伴っていることが多いです。発育障害によって先天的に横隔膜の一部または全域が欠損して発症します。症状がゆっくりと現れてから徐々に悪化することが多いです。先天性の場合、多くが離乳期から呼吸での症状が現れます。 猫のの治療方法・対策 交通事故が原因の場合は緊急の外科的治療(切開手術)が必要です。基本的には、全て手術によって胸腔に「脱出」した臓器を腹腔にもどし、横隔膜の裂けた部位を縫い合わせます。

» 猫の膿胸(胸の中にうみがたまる)

猫のの症状と原因 初期の症状は呼吸が多少荒いなどの軽い症状ぐらいでほとんど無いために、見過ごして症状を悪化させる事があります。原因としましては、胸壁や気管、肺などに穴あき、そこから細菌が胸に入り込み胸腔にうみが溜まります。犬よりも猫の方が発生率が高いです。 猫のの治療方法・対策 気胸同様に内科的治療を行います。また、針を刺して胸腔から膿汁を排出させる治療が必要な場合もあります。

» 猫の気胸

猫のの症状と原因 呼吸が速く浅くなり、呼吸困難な状態に陥ります。また、セキやヨダレ・吐血などの症状が出る場合もあります。気管や肺は交通事故や喧嘩によるケガなどによって破れることがあります。 猫のの治療方法・対策 症状の状態によってはネコを安静にさせ、内科治療を行うだけで治癒してしまう場合もあります。症状が重い場合は針などを使って胸腔にたまった空気を除去しなければいけません。呼吸困難がひどい場合は酸素吸入が必要な場合もあります。

» 猫の気管支炎

猫のの症状と原因 ネコが気管支炎になると空せきをし、発熱があって元気がなくなります。症状が重くなると今度は胸のあたりが痛み出すために触られたりするのを嫌がっていきます。原因としては主にウィルス感染になります。 猫のの治療方法・対策 抗生物質の投与などの内科的治療が中心になります。ネコはなるべく静かで暖かい部屋で安静を保ちノドへの刺激をなくします。症状を悪化させて肺炎などに移行させないよう注意します。
猫の年齢表
(年) 1ヶ月 3ヶ月 6ヶ月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20
大型犬
(歳)
1 5 10 20 27 33 39 45 50 55 60 65 70 74 78 82 86 90 93 96 99 102 105

※猫は生後5~7年で人間の「中年期」に入ります。