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血液系

バベシア症

<症状と原因>
ダニを介して原虫が血液に入って貧血を起こし、ひどい場合は死に至る犬の病気です。残暑と適度な雨量によってダニの発生に好条件となったことから、市街地の一部でも発病するようになりました。治療法が充分には確立されておらず、強い薬の副作用で死ぬケースもあり、獣医師らは飼い主に注意を呼びかけられています。バベシア症は、フタトゲチマダニなどに寄生する原虫が犬の血液中の赤血球内に入って感染します。食欲不振やふらつきなどの貧血症状を起こし、歯茎などが真っ白になるという症状がみられます。
<治療の方法>
検査で寄生体が確認された場合は、貧血に対する補助治療と あわせてバベシアに対する薬物治療(抗原虫剤とステロイド剤)を行います。

薬物は急速に寄生体を死滅させるものではありませんが、 数を減らし犬自身の免疫が感染をコントロールできるようにします。 また、犬の皮膚に付着しているマダニをつぶさないようピンセットでつまみ取って駆除します。

カルシウム代謝の異常

<症状と原因>
症状は、犬が神経質になったり、運動失調・ぐったりするなど。 また、水をよく飲んだり尿の量が増えたりします。 上皮小体に傷がついたり、細菌に感染したり、腫瘍などができるとその働きが低下して、 血液中のカルシウムの濃度が低くなり発症します。

<治療の方法>
上皮小体機能低下によって、血液中のカルシウムの濃度が低くなってしまっているので、 カルシウム剤を投与して、場合によってはビタミンDを与えます。

ハインツ小体性溶血性貧血

<症状と原因>
「玉ネギは刺激が強いので与えない方がよい」のは、どうしてなのでしょうか。それは貧血が起きるからです。玉ネギを摂取すると、ヘモグロビンは酸化し、形が変わります。通常、球体であるヘモグロビンはギザギザした刺のある形に変化し(ハインツ小体)、血管内で赤血球等の邪魔をしてしまうのです。赤血球が、ハインツ小体に引っ掛かると溶血し、貧血が起こります。ハインツ小体は「玉ネギ」の他に「風邪薬(アセトアミノフェンを含むもの)」や「ニラ」、「ニンニク」等でも生成されます。

<治療の方法>
一般的には原因となっている病気を治療します。貧血が激しい場合には輸血も行われることがあります。薬物中毒の場合には,別の薬物を投与して治療します。

糖尿病性ケトアシドーシス

<症状と原因>
糖尿病性ケトアシドーシスとは長い間糖尿病を放置しておくと、 血液中のケトンとよばれる物質が著しく増える事があり、 この物質は体に有害なので、下痢や嘔吐などの症状があらわれる ほか昏睡状態におちいる事もある、危険な病気です。

<症状と原因>
治療は緊急を要します。まず即効性タイプのインスリンを注射します。 また輸液をおこなって体内の電解質(ミネラル)のバランスを調整します。

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