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内分泌系

クッシング症候群

<症状と原因>
副腎は、腎臓の上に存在して体が正しく機能するように、さまざまな調整をするホルモンを分泌している器官。副腎から、持続的にステロイドホルモンが過剰に分泌される症状をクッシング症候群と呼びます。ステロイドホルモンは、全身での代謝(糖や脂質、タンパク質、ミネラルなどの物質が使われること)を調節しています。

代謝がおかしくなるため、肥満をはじめとしたさまざまな異常がおこります。原因は、下垂体や副腎の腫瘍によるものがほとんどを占めます。顔が満月のように丸くなり、また赤くなり、胴体が太り、首のつけねのあたりに脂肪がたまり、水牛のように出っぱり、血圧が高くなります。

<治療の方法>
医原性のものは、徐々に副腎皮質ホルモンを休薬するようになります。自然発生とわかったら、こんどは様々な検査で下垂体に異常があるのか、副腎が腫瘍化しているのかを決定します。そしてそれぞれに合った薬物療法、あるいは手術を行うことがあります。

アジソン病

<症状と原因>
クッシング症候群とは逆に、副腎皮質ホルモンの分泌が不十分なためにおこる病気。症状は、元気がない・食欲がない・下痢・吐く・体重が減る・脱水・腹痛があります。大きなストレスを受けたあとに発病しやすく、コリーやプードルに多い病気。症状が急に起きて重い症状なら危険な状況になる可能性があります。若い犬から中高年くらいまでに見られ70~80%まではメス犬になります。

副腎を摘出したために副腎皮質ホルモンが分泌されなくなったり、副腎が出血したり腫瘍ができた事により、ホルモンの分泌量が少なくなった時に表れます。またストレスを強く感じたときに発症しやすいので飼い主さんが、起きないようにケアしてあげましょう。

<治療の方法>
早急な生理食塩水(0.9%の食塩水)や副腎皮質ホルモンの静脈投与が必要です。また発生してから亡くなるまでに、副腎皮質の一種で塩類と水のバランスを調節する薬を投与するようになります。

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