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心臓病

肺動脈高血圧

<症状と原因>
肺高血圧とは、肺動脈圧が異常に亢進した状態をいう。 稀少な疾患であるが生命予後は診断確定後3年程度と極めて不良であった。

近年になり新しい治療薬が出現し、従来とは比較にならないほどの効果を 示すようになった。そうした状況もあり、病態の解明や新薬の開発などが 精力的に行われており、臨床医における関心も高まっている。

ファロー四徴症

<症状と原因>
主な症状は、運動時の呼吸困難や、チアノーゼ、疲れやすいなどです。先天性が原因と考えられます。

<治療の方法>
有効な治療が無いのが現状ですが、症状を緩和させる対処療法がおもな治療になります。

心筋症

<症状と原因>
心筋症とは、心臓を動かす、心臓を構成している筋肉である心筋に異常が起こることにより、全身に血液を送る心臓の働きが低下する心臓病です。心筋症には、「拡張型」、「肥大型」、「拘束型」の3種類があります。

症状は、初期は、元気がない、疲れやすいなど、無症状のケースが多いのですが、進行していくと、咳、腹部が膨れる、呼吸困難、失神などの症状が見られます。 また、最悪の場合、突然死する恐れもあります。 純血種に多く発症するため、遺伝性な原因があるとも考えられていますが、現在のところ正確な原因は不明です。特発性のものと、二次性のものがありますが、犬の場合は特発性心筋症がほとんどです。

<治療の方法>
血管拡張薬、強心剤、利尿剤などを処方する内科療法が主な治療法となります。

家庭においても、塩分の制限を始めとする、食事療法を行なう必要があります。また、心臓に過度の負担がかからないように運動制限も行います。ただし、肥満を避けるため、無理のない範囲での運動は必要となります。

心臓肥大

<症状と原因>
心臓肥大とは、その名の通り、心臓が普段より大きくなった状態を指す病気です。心臓病の中で最も発症率が高く、望ましくない食生活によって引き起こされる肥満や高血圧が原因となるケースが大半を占めます。他に、僧帽弁閉鎖不全や、フィラリアが原因となる事もあります。様々な原因により、心筋に強い負荷がかかり、その負荷に耐えるように、心筋が肥大します。

代表的な症状は咳をする事です。この心臓肥大は、まれに肺水腫や心不全を招くこともあるため、早期検診、早期治療が重要です。

蛇足になりますが、犬種によっては元から心臓が大きい子もいるので、まれに獣医師が正常な状態の心臓であるにも関わらず、心臓肥大と誤診する事があります。自分の愛犬が心臓肥大だと診断されたら、セカンドオピニオンを行なうのも良いかも知れません。

<治療の方法>
一番の治療法は肥満や高血圧などの原因を取り除く事です。カロリーや塩分を抑えた食事療法を行い、ストレスを極力与えないようにしてあげましょう。また、原因によっては薬物治療や手術を行う事もあります。

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