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寄生虫病

トキソプラズマ症

<症状と原因>
トキソプラズマ症の感染源となる虫卵(オーシスト)は、トキソプラズマに感染したネコが、一定期間、フンと一緒に排泄されます。人間を含むその他の動物にも感染する可能性があるので家庭内で十分な注意が必要です。犬の感染の可能性としては、豚などの生肉を食べた、猫の便を食べたなどが考えられます。通常は感染しても症状はでませんが、犬の免疫が異常に低下した場合、トキソプラズマの活性化が起こり病気となってしまいます。下痢などの消化器症状、筋肉の脱力、呼吸困難などが代表的な症状です。病院では感染しているかどうかの抗体検査が可能です。

<治療の方法>
コクシジウム症と同様に、潜在性の原虫感染症の影響で 起こる細菌感染を抑えるために、 抗生物質を使用することがあります。

犬条虫症

<症状と原因>
ノミが中間宿主となって寄生する犬条虫は、 よほど重症でないかぎりはっきりした症状を表さないのですが、 肛門から犬条虫の片節が出て、床に落ちていたり、 犬がかゆがったり、お尻をひきずって歩くといった症状がみられます。

<治療の方法>
駆虫薬を飲ませる、または注射により投与します。 あとは必要に応じての対処療法を行います。

鞭中症

<症状と原因>
犬鞭虫という長さ5cmぐらいの虫が、腸に寄生する病気です。 寄生が少ない場合は、ほとんど症状はみられません。 寄生数が多いと軟便や下痢などの消化器症状がみられます。 鞭のような形をしたイヌ鞭虫が原因です。 外界に排泄された虫卵が口から摂取されて感染します。

<治療の方法>
鈎虫や回虫と異なり、鞭虫はたくさんの卵を産みません。 そのため、虫卵の検出による診断は困難です。 駆虫剤による治療は毎月1回行い、最低でも3か月はつづけます。

犬鉤虫症(いぬこうちゅうしょう)

<症状と原因>
犬鉤虫症(いぬこうちゅうしょう)と読みます。文字通り鉤状の歯?をもった寄生虫です。沢山の種類があり、犬鉤虫以外では人間に感染する可能性のある物もいます。体長は2cm程度で、鉤状の歯をもち犬の腸内に寄生し吸血して成長します。経口感染による感染が主ですが、皮膚組織を食い破り体内に侵入する場合もあります。経口感染の場合は、糞便の中にあった卵がおよそ一日で孵化し、それが犬の体内に入り、腸内で成長していきます。

皮膚から侵入したものは、一旦肺に行き、咳と共に体外に排出された物が、再び口の中から戻ってきます。腸内の虫はおよそ3週間で卵を生み、糞便の中に排出されます。 食欲不振、腹痛などの症状に加え、消化器の出血が見られる場合があります。小腸からの出血では便がタール便となり、下部の出血では、血液のついた便が出ることもあります。鉤虫による吸血が進むと、貧血などを伴います。ひどい場合には、この貧血や、栄養障害によりきわめて重篤な症状に陥る事もありますので、特に子犬には注意が必要です。

<治療の方法>
駆虫薬で十分治療が可能です。また、環境の清掃も重要になってきます。

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