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骨と間接

骨盤骨折

<症状と原因>
犬の骨折のなかでも多くを占め、交通事故など外部からの力によるものが圧倒的に多いです。通常は、複数の骨が骨折しています。後肢をひきずる、歩行ができないなどの運動障害がみられ、あわせて排尿、排便の障害も多く見られます。椎間板の疾患ときちんと診断して区別する必要があります。

<治療の方法>
骨盤は骨格が箱のような構造になっているので骨折を起こした場合には通常、 多発性に骨折します。治療は当然、解剖学的に本来の 位置関係に整復することが最も望ましいと考えられます。

しかし、運良く?骨折を起こした骨盤の形態が排便や後肢の 運動に問題を起こす可能性がない場合には保存的な治療(何もしない) が選択される場合もあります。

ひざの前十字靭帯の断裂

<症状と原因>
靭帯が切れてしまい体重が掛けられなくなり、 突然後ろ足を上げて歩くようになります。

原因は事故によって靭帯が切れてしまうこともありますが、 近年では加齢により靭帯が弱くなったり肥満からくる 膝への負担増によって引き起こされる事例が多いようです。

<治療の方法>
外科的手術によって治療を行います。治療をしないでいると、 2~3週間のうちに変性性の関節炎を引き起こすので、 出来る限り早く手術を行います。

レッグ・カルベ・ペルテス病

<症状と原因>
大腿骨の頭への血液供給が悪くなり、壊死してしまう病気で、小型犬の1歳未満の若い子によくみられます。大腿骨が成長する時期に、関節周囲の構造に炎症が起こり、血液供給の悪くなった大腿骨頭は、骨が縮んで変形して、股関節をつくる骨盤の骨と形が合わなくなってしまいます。悪い方の後肢を上げていることが多く、そのため歩様は3本足で、歩きにくそうにします。症状が進むと筋肉の萎縮も起こってきます。

<治療の方法>
大腿骨頭の変形が少なく、症状が軽ければ保存療法をとる場合もあります。 この場合は徹底した安静管理を4〜6ヶ月行い、こうした管理をしていれ ばほとんどは回復します。また、外科的治療では、壊死した大腿骨頭を除去して、 新たに関節を形成する手術を行います。

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