犬の病気・猫の病気大辞典

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前立腺肥大

<症状と原因>
犬の前立腺は、オス犬の膀胱の前方で尿道を囲むように存在し、精子の運動能力を活発にし精液を分泌したり生殖機能に深くかかわる組織です。この前立腺が徐々に肥大してくるのが前立腺肥大です。

前立腺肥大が進行して、組織内にすき間ができ、そこに体液や血液がたまると前立腺嚢胞となります。前立腺嚢胞からさらに状態が悪化し、感染症を起こして化膿し、膿がたまる前立腺膿瘍を引き起こすこともあります。 前立腺肥大は、早ければだいたい3歳すぎで発症する犬もいますが、一般に発症のピークは約7~9歳ごろが多いです。

前立腺が腫脹すると、直腸を押し上げて圧迫します。その結果、犬は細い便を排泄 します。前立腺の肥大は尿道を狭窄し、排尿困難や尿リン滴の原因になるといわれていますが、一般的には尿路系機能に影響しません。これらの症状は、前立腺に悪性腫疫があって、前立腺が肥大する場合にも発現します。

また精巣から分泌される雄性ホルモンと雌性ホルモンの量が、アンバランスになってしまう事により前立腺の良性の肥大が起こります。前立腺の肥大にはこうした良性の過形成の他、腫瘍性によるもの、細菌性によるものとがあります。根本的な理由はまだ分かってはいないのが現状です。

<治療の方法>
肥大が軽く、無症状または症状が軽いうちは、内服薬やホルモン剤を体内に埋め込む方法もあります。肥大が進んでいる場合は、前立腺の除去手術をすることもあります。若いうちに去勢手術をしておけば、前立腺の肥大は起こりません。

前立腺肥大などの前立腺疾患は精巣ホルモンとの関連性が高く、去勢していないオス犬が約6~7歳以降の年齢になると発症しやすいため、5歳前後までに去勢手術を受けていれば、病気予防に役立ちます。もっとも、去勢したからといって、必ず前立腺肥大などを予防できるわけではなく、また、去勢しなかったからといって、必ず発症するわけでもありません。

去勢手術を行って性ホルモンによる刺激を絶ってから、適切な内科療法(ホルモン剤の投与など)で治療を続けます。ホルモンや年齢との関与が深い病気なので早期の去勢手術による予防が期待できます。

手術で前立腺の摘出が必要なこともありますが、去勢手術により治癒する場合がほとんどです。去勢をしてない老齢を重ねた犬の生活には日頃から排便・排尿時の観察をしてあげることが大事です。何よりも犬の身体に対する負担が少ない事で安心な対処方法と言えます。また去勢手術をしただけで、前立腺肥大を始め前立腺炎・前立腺膿瘍・睾丸の腫瘍・陰嚢などの病気の心配も少なくなります。



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